防音材を導入して騒音対策をする場合、「騒音の周波数」に合わせた防音材選びが非常に重要となります。そのため、防音材を選ぶ前に「周波数」について知っておく必要があります。そこで、こちらのページでは、周波数について詳しく解説します。
音の高さを示す「周波数(Hz)」は、騒音対策を行う上で重要です。周波数が低いと低い音、周波数が高いと高い音に聞こえ、人の耳で聞くことができる範囲は20~20,000Hzと言われており、騒音対策など実用的には63~4,000Hzの範囲で、1,000Hzを基準として対策を行っています。
人の耳に聞こえる周波数の範囲の中でも、人が聞き取りやすい周波数帯は2,000~4,000Hzと言われています。同じ音の大きさでも、高い音よりも低い音のほうが小さく感じることから、この聞き取りやすい周波数帯は人が不快に感じやすい周波数帯とも言えます。
一般的な女性の声は約1,000Hzと言われており、赤ちゃんの鳴き声や警報音などは2,000~4,000Hzの高周波に分類されます。この2,000~4,000Hzの範囲は人が不快に感じる周波数と言われています。
人は音が低くなるほど聞こえにくくなります。低周波帯の音は、工場の送風機やプレス機、ヘリコプターやトラックなどの騒音が低周波に該当します。
防音材を選ぶ上で「周波数」が大切ということを解説してきました。そこでさらに防音材の周波数をチェックする上で大切なポイントをいくつかご紹介します。
吸音率を測定する方法は「残響室法吸音率」と「垂直入射吸音率」の2つあり、図り方によっても変わってきます。そのため、防音材の吸音率をチェックする場合は、第三者機関によって「残響室法吸音率」で測っているかをチェックしましょう。
そして、残響室の温度・湿度によって変わってきますが、残響室法吸音率は防音材の厚みや材質などで変わるため、どの周波数のあたりから1.0(100%)に近い数値となり、安定してくるかをチェックしましょう。
例えば。株式会社静科が公開しているグラフでいうと、500Hzから上の周波数の吸音率はほぼ100%ということがわかります。
各周波数に対する透過損失の高さをチェックすることも重要です。例えば、静科が扱う「一人静タイプA」の場合は、500HZ~ほぼ100%の吸音率を誇ります。このように、対策したい周波数の吸音率などもしっかりチェックしましょう。
吸音率の測定を自社測定で行っている場合、なるべく良い数値が測定できる環境で測定した結果を公表している場合が多いのが現状です。対して第三者測定の場合は研究所や第三者の公的機関による公平な測定方法を掲載しているため、より信頼性が高いと言えます。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。
【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)