― おん環 ― 騒音を出さない環境を創る【法人向け】おん環 » 防音材で対策できる騒音源 » コンプレッサーの防音対策

コンプレッサーの防音対策

コンプレッサーの音はどれぐらい不快?

コンプレッサーにはいくつかのタイプがあり、それぞれのタイプによって発生する騒音のレベルが異なります。

たとえば、レシプロタイプ(シリンダー内でピストンが往復するタイプ)の場合、その騒音レベルは約62~76dB。日常生活の騒音で言えば、洗濯機や掃除機、セミの鳴き声、騒々しい街頭等に匹敵するレベルです。このレベルの騒音の中で人と会話をする場合、かなり大きな声を出さなければなりません。

また、静音耐久性タイプ(一対日本のスクリューローターで圧縮するタイプ)の場合、その騒音レベルは約49dB。日常生活の騒音で言えば、閑静な住宅地や図書館などのレベルです。このレベルの騒音であれば、ほとんど会話に支障がありません。

コンプレッサーの防音対策方法を紹介

防音ボックスを取り入れる

防音ボックスとは、騒音の発生源を機械の中に入れて音を遮断するボックスのことです。使用する環境や用途に応じて使い分けられるよう、小型のものから大型のものまで、さまざまな大きさのものがあります。

防音ボックスはコンプレッサーの騒音対策としても有効で、使用方法は防音ボックスにコンプレッサーを入れるだけ。防音ボックスは音を吸収する素材でできているため、中に入れるだけでコンプレッサーから出る音を小さくできます。なお、コンプレッサーの種類によっては振動が大きいものもあるので、その場合は土台にゴムを使用するのがおすすめです。ゴムが振動を吸収し、より効率的に音を軽減できるでしょう。

防音パネルで囲う

防音パネルでコンプレッサーの周囲を囲んだり、コンプレッサーを置いている部屋を囲んだりするのも防音対策の一つです。防音パネルは遮音と吸音の働きをする板状のパネルであり、野外向けのタイプもあれば屋内向けタイプのものもあります。特に屋内向けのタイプの中には個人宅で取り入れやすいものもあり、簡単に設置することが可能です。

設置方法は製品によって違いますが、デスクの上に取り付けるだけのものや部屋に置くだけで良いものもあります。上記で紹介したように自分で対策することもできますが、専門の業者に依頼すれば適切な場所に適切な素材を選んでもらえるため、確実に防音したい場合は業者に依頼するのが賢明です。

防音壁を活用

防音壁を購入し、自宅の部屋の壁に貼り付けていくという方法があります。隣の部屋との間の壁に貼り付けるだけでも、一定の防音効果が期待できるでしょう。

ただし、壁一面に防音壁を貼り付けることになると、かなりの枚数の防音壁を購入する必要があります。仮に10枚の防音壁が必要となった場合、費用は約150,000円となります。

防音パーテーションを活用

「防音パーテーション」とは、吸音材で作られたコの字型のパーテーションのこと。コの字の内側にコンプレッサーを置けば、一定の防音効果が期待できます。

ただし、防音パーテーションには天井部分がないため、より防音効果を高めるためには、天井部分に遮音性・吸音性の高い何らかの素材を設置する必要があるでしょう。費用の目安は約20,000円。天井部分に吸音材を1枚置く場合には、プラス5,000円程度となります。

サイレンサーを設置する

サイレンサーとは消音器のことであり、エンジンの排気管から出てくる音を消す効果があります。エンジンから排出される排気ガスは高圧かつ高温なので、何もせずに大気中に開放すると一気に膨張し、爆発音のような音がしてしまいます。そのような音を防ぐのにサイレンサーが便利です。サイレンサーはコンプレッサーだけでなく、バイクや車のマフラーなどにもとりつけられており、チタンやスチール、カーボンなど、さまざまな素材が展開されています。

素材によって費用が異なり、樹脂タイプのような安価なものもあれば、ステンレス製のように比較的高価なものもあります。とはいえ、価格は高いですが、ステンレス製は耐久性に優れているのがメリット。サイレンサーは価格帯や、使っているコンプレッサーのタイプなどに考慮して、自分に合ったものを選びましょう。

DIYで防音対策

荷物の梱包などに使うダンボールを使用し、防音室をDIYするという方法もあります。ダンボールを複数枚貼り合わせて厚みを付けて壁や天井などに貼り付ける方法や、短冊状に切ったダンボールを重ねてブロック状にし、そのブロックを壁に積み上げていく方法などです。

いずれの方法でも、ダンボールに5cm程度の厚みを付けられるならば、多少の防音効果は期待できます。ただし、十分な防音効果とはほど遠いと考えましょう。コンプレッサーの騒音に対しては、極めて心もとない防音対策と言わざるを得ません。

騒音でのトラブルでお困りの場合や、トラブルを未然に防ぎたい場合には、防音材での対策を検討してみるのはいかがでしょうか?
当サイトでは、高品質な防音材を提供するメーカーを紹介しているので、気になる方はぜひ、チェックしてみてください。

騒音の苦情知らず!高品質な防音材メーカー3選

コンプレッサー騒音規制法

令和3年12月21日、騒音規制法・騒音規制法の原則が改正され、コンプレッサーの設置等に関する規制内容が緩和される形で、令和4年12月1日から施行されています。

改正前の規定では、指定の地域内において特定施設(機器)を設置する場合、または特定施設(機器)の変更を行う場合、自治体に所定の届出をする必要がありました。この「特定施設(機器)」の中にコンプレッサーが含まれているため、コンプレッサーも規制の対象でした。

しかしながら、騒音規制法は昭和43年、振動規制法は昭和51年に制定された法律であり、技術革新が進んだ現在の状況に即していない部分があるとの理由で規制内容の一部が緩和。コンプレッサー(空気圧縮機/圧縮機)については、その発生する騒音や振動の大きさが一定以下の機器のうち環境大臣が指定したものについては、生活環境保全上問題のないものとして、規制の対象から除外される形となりました。

コンプレッサーの音「防音材」での対策事例

工場内のコンプレッサー騒音対策として防音ボックスを設置

都内の工場からの依頼で、コンプレッサーの防音用ボックスを設置しました。

薄型で軽量であるにも関わらず、高い吸音率を持つボックスです。

業者から納品されるのは部品のみですが、作業員2人で30分ほどで組み立てられる手軽さも特徴です。ボックス内に熱がこもらないよう、オプションとして空気の流れを良くする開口部も設置しました。

参照元:株式会社静科(https://www.hitori-shizuka.jp/archives/19656)

多孔質フォームミラドレンによる屋外用防音装置

工場の外側にあるコンプレッサーの騒音対策として、多孔質フォームミラドレンを採用した防音振動ネットを設置しました。 多孔質フォームミラドレンは剛性と耐水性がある素材なので、外の環境にも適した素材。

コンプレッサーを包み込む要領で縫製し、前面をマジックテープで開閉できる仕組みにして完成です。内部の熱を逃すため、裾を短めにして外気を取り入れる設計としています。

参照元:株式会社共ショウ(https://bouon-boushin.net/profile/)

オーダーメイドでコンプレッサーの防音設備を設置

工場の屋外に設置しているコンプレッサーの騒音対策として、その場所の特徴に合った防音設備をオーダーメイドで設置。基礎作り、防音ボックスの製作、防振ゴム加工などを行い、クレーンを使って270kgもある防音ボックスを設置しました。

参照元:防音専門ピアリビング(https://www.pialiving.com/blog/archives/995)

コンプレッサーの防音対策で熱だまりを解消する方法

コンプレッサーの防音対策として、防音ボックスの設置は大変有効な方法となるのですが、防音ボックスを利用する場合、熱だまりが生じて機械に不具合を生じさせる懸念があります。

ボックス内の熱だまりに対しては、次のような方法で対策をとることが有効です。

吸排気サイレンサーを設置する

ボックスへの外気の流れを作るため、まずはパネルの一部を開口。あわせてサイレンサーを設置することで、吸音しながら空気の入れ替えを行います。

排気ファンを設置する

パネルの一部開口とサイレンサーの設置だけでは十分な熱だまり対策とならない場合には、パネルに排気ファンを埋め込んで、冷たい外気をボックス内へ誘導する形とします。あわせて排気ファンの上にサイレンサーを設置し、一定の吸音性能も維持させます。

放熱性能のあるパネルを使用する

紙質タイプのハニカムパネルではなく、より放熱性能の高い素材のハニカムパネルで防音ボックスを作る、という方法があります。たとえば、アルミタイプのハニカムパネルを使用すれば、紙質タイプに比べて熱伝導性が高くなるため、ボックス内の熱が外へ逃げやすくなります。

防音ボックスの一部の面を解放する

以上の対策でも十分な熱だまり対策にはならず、かつボックス内には相当な高温まで達する機械を設置している場合には、最終手段として、パネルの一部の面を解放するという方法があります。

パネルの一部を解放する以上、防音効果はやや下がりますが、内部に使用するパネルの吸音性能次第では、想像するほどの大きな音漏れは生じません。

仕様目的で選んだ!
高品質な防音材3選を見てみる

編集チームまとめ

タイプにもよりますが、コンプレッサーは大きな騒音が発生させることのある機器なので、必要に応じてしっかりとした防音対策を行う必要があります。

しかしながら、そもそもどの程度の防音対策が必要なのか、また、どのような基材が必要なのかは、素人には判断しにくいものです。使用中のコンプレッサーに対する過不足のない防音対策を行うためには、提案から施工までを一貫して行っている防音専門メーカーに相談してみるようおすすめします。

騒音の苦情しらず!
高品質な防音材メーカー3選

防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。

マンション・ビル・商業施設・
⼯場の防音材なら
静科
⼀人静
⼀人静
引用元名:静科(https://www.hitori-shizuka.jp)
     
天井材・壁材・床材・内装材・室外機と幅広いラインナップで騒音源に合わせて対応
複数の受賞歴が物語る、高い遮音性・吸音性 × 優れた通気性
国土交通省の不燃認定、Fフォースターを標準とする安全素材
特殊形状の大型公共施設の
防音材なら
ユニックス
ポアル
ポアル
引用元名:ユニックス(https://www.unix-coltd.co.jp)
大型公共施設の実績多数(プール壁・天井、遊技場、展示場など)
1.3mm、2.0kg/㎡と薄手で軽量、湾曲や波型にも自由自在に加工可能
耐水性が高く給水による性能低下が少ない
道路・鉄道の騒音に特化した
防音材なら
日鉄神鋼建材
エコキューオン
エコキューオン
引用元名:日鉄神鋼建材(https://www.shinkokenzai.co.jp)
道路・鉄道に特化した防音材の豊富な製品ラインナップ
複層式のアルミ板防音材で、幅広い周波数をとらえて吸音
様々な種類の車両用防護柵にも既設・新設問わず低層の防音壁設置が可能

【選定基準】
  2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)