防音材を選ぶポイントは、ずばり「性能」です。数ある防音材から、自社の環境にぴったりの防音材を選ぶために知っておきたいポイントや、屋内・屋外で使用する場合の性能の違い、パネルタイプやガラスタイプなど種類別の違いについて解説します。
防音材を選ぶ場合、遮音と吸音の違いや周波数、騒音レベルをしっかり理解した上で、騒音源の音の大きさや周波数に合わせた防音材を選ぶことが大切です。その上で一番良いのは、どちらかに偏った防音材ではなく「遮音」と「吸音」を両方兼ね備えている防音材といえます。
遮音とは、防音材が音を跳ね返すことで音を遮ることを言い、防音材に入った音の大きさよりも、防音材を抜ける音の大きさが小さいほど性能が良く、透過損失が高いという評価になります。
吸音とは、文字通り音を吸収することを指し、大きく分けて防音材に無数の小さなを穴を開けた
「多孔質型吸音材」と、空洞に穴が空いた形の「共鳴器」を利用した「共鳴器型吸音材」の2種類に分けられます。
遮音性能が高すぎる場合、音が反射して不必要に音が反響してしまう場合があります。一方で吸音性能が高すぎる場合は、逆に音が響かなすぎるというリスクがあります。そのため、どちらか一方の性能に偏るのではなく、両立している方がより効果的と言えます。
防音材を選ぶ上でしっかり防音ができるのは大前提として、他にも有効周波数の範囲が広いかどうか、耐熱性・断熱性があるか、第三者機関による測定結果を公表しているかなどのポイントをチェックしましょう。また、使用する場所によってもそれぞれあるとよい性能をご紹介します。
屋外で使用する防音材の場合は、耐水性、耐候性、国土交通省の認定する防火性能があるか、また万が一の火災時にガスの発生が少ないかどうかというポイントが重要です。
屋内で使用する防音材の防音材は、防音性能を上げるために分厚い防音材を使用すると、作業スペースが小さくなって作業効率が下がってしまう恐れがありますので、適度な厚さのものを選びつつ、人体に影響のあるホルムアルデヒドなどが発生しない防音材を選びましょう。
防音材を使用する建物のタイプにより、防音性能以外に必要な性能が変わってきます。防音対策をしたい建物別におすすめの防音材も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
防音材は、使用する素材によって種類が異なります。そこで、防音材のそれぞれの種類について解説します。
適度な厚さがあるパネルタイプの防音材は、騒音源を囲って使用したり、壁に貼り付けたり、パーティションとして使用するなど、汎用性の高い防音材です。
ガラスタイプの防音材は、窓ガラスとして使用することができ、ゴムタイプの防音材は振動による騒音を防ぐために騒音源に敷くなどで利用することができます。
通販などでよく販売されているシートタイプの防音材は、床に敷くなどで手軽に利用できますが、厚みが無いので防音性能としてはパネルタイプよりも劣ります。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。
【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)