オフィスで防音対策を行うメリットは、以下の3つです。
①情報漏洩を防止する
会議室など、特に重要な会話を行う場所で防音対策を行うことで、個人情報や機密情報の漏洩を防ぐことができます。
②プライバシーを保護できる
金融機関や医療機関、法律事務所など、普段からプライバシーに関わる情報を扱っている企業は、防音対策を徹底しています。防音対策は、会社の信頼性アップにも貢献してくれるでしょう。
③集中力を高める
会議室だけでなく、執務スペースなど、各部屋の防音対策を行うことで、雑音に邪魔されずに集中して仕事をすることができます。
パーテーションなど可動式の壁や、開閉しやすい軽い素材のドアを採用している場合、壁や床にすき間ができやすく、必然的に音漏れしやすくなっています。また、薄い素材の床やドアは遮音性・吸音性が低く、音による振動も簡単に伝わってしまいます。
特に優先的に防音対策を施すべきなのは、会議室です。防音対策を行うことで、情報漏洩を防止するだけでなく、会議室外で仕事をする人への騒音対策も行うことができます。話し合いがヒートアップすると声が大きくなりやすいため、防音対策を施していると安心ですね。
また、応接室で商談を行う会社の場合は、応接室の防音対策も急務です。オフィスの会話などが聞こえると商談に集中できない上、会社へのイメージダウンにも繋がってしまいます。応接室での会話が外に漏れることは、来客者の顧客情報保護の観点から望ましくありません。
「音漏れが気になる」というオフィス内の苦情から防音対策を検討しているというケースもありますが、費用面からすべてのスペースに対策することは難しく、あまり現実的ではありません。
オフィスの防音対策で考えなくてはならないのは、「防音が必要な場所はどこか」「どこを優先すべきか」ということ。優先的に防音性を上げる必要がある場所は、秘密情報の漏洩が心配される場所です。
ここでは秘密情報の保全につながるという観点から優先的に防音対策をしておきたい場所をあげてみました。
社長室での会話には、企業の機密情報が含まれていることもあり、セキュリティー対策としても防音は重要です。
社長室内の声が廊下や隣室に漏れることのないように、防音対策は特に入念におこなう必要があります。
話し合いや会議の内容次第ではテンションが高くなり、声も大きくなりがちな会議室内。
特に優先的に防音対策をしておきたい会議室ですが「会議室から声が聞こえて集中できない」というお悩みも多いことから、会議情報の漏洩だけでなく、会議室外への騒音対策としても防音は必要になります。
応接室での会話が外部に漏れることは、来客者の顧客情報保護の観点からも望ましくありません。
また、応接室で商談をおこなう可能性もある場合、防音対策は急務です。もし、顧客情報や商談内容が漏洩すれば顧客からの信用を失い、大きな損失につながる可能性もあるからです。
オフィス内から発生する音にはさまざまなものがありますが、集中力を妨げる音として代表的な雑談。
リラックスしやすい休憩室では、仕事に関係のない会話や上司の前では言葉に出せない内容でも気軽に話してしまうこともあり、こうした会話から内部事情が外部に漏れる恐れもありますので、休憩室にも防音対策は必要ではないでしょうか。
オフィスに防音対策が必要な理由は、機密情報や個人情報などの漏洩を防ぐため。ビル1棟すべてではなく、ビルやフロアの一部を借りている場合も多いことから、外部に音が漏れないようにする対策は必須です。
ここからはオフィスの防音対策の際に考えるべきポイントや具体的な対策などを解説しています。
防音対策の際には、遮音材と吸音材を使用することで音の伝わりを効果的に防ぐことができます。
オフィスから音が漏れる原因として、空気を通して音が伝わるというのが一般的。壁や床などに遮音材を使用することで、空気や物を通してオフィスの内部から漏れていく音を遮断します。さらに、グラスウールのような多孔質な吸音材を床や天井、壁などにも使用すると、音の伝わりを効果的に防ぐことができます。
制振用シートや防振材、ゴムマットなどを利用することで音の振動を効果的に防ぐことができます。
オフィスから音が漏れる原因には、空気を通して伝わる以外に物体が振動することによって音が伝わる場合もあります。具体的には、建物の壁や天井、床などの振動です。そのため、壁や天井、床などの素材が薄い、または振動が伝わりやすい素材である場合などは、騒音につながりやすくなります。
オフィスの壁や天井、床の状態や使われている素材をチェックし、音の振動が伝わりやすいものか確認します。また、設置されている場所にもよりますが、窓やパーテーションなども対象になります。
遮音性能の尺度として使用されるD値は、隣り合う2部屋の遮音性能を評価するための指標として設定され、数字は等級を表します。
防音対策の目安になる遮音等級は、会議室などの目標値で「D-50 ~ D-60」になります。
これは、ピアノなどの音が小さく聞こえるD-50からD-60のほとんど聞こえないという目安です。数字が大きいほど遮音性に優れています。
騒音対策で目にすることの多いdB(デシベル)も、音の大きさを表す単位であり、騒音対策の資料などで見かけることもあるように、騒音の大きさを表す単位として使われています。
それに対して、遮音性能の尺度として使用されるD値は、主に壁の遮音性能を評価するための指標であり、防音壁や壁、ドアなどが、どのくらい音を遮断するかといった場合に使われています。
オフィスで実施する防音対策には、大きく分けて5つの方法があります。
①ドアや壁、床に吸音性の高い素材を使う
オフィスの壁や床には軽い素材が使われていることが多いため、コンクリートなど密度の高い素材を使うようにしましょう。既存の壁や床で音漏れしてしまう場合は、防音カーテンや吸音パネル、吸音性の高いカーペットなどを導入するのも一つの手段です。ドアにすき間がある場合には、隙間をパッキンやシリコンコーキングで埋めましょう。
②サウンドマスキング設備を導入する
サウンドマスキングとは、空調音などの日常的な音や、ヒーリング音楽などを背景音としてスピーカーで流すことで、会話などを聞こえにくくする方法です。あえて騒音とほとんど同じ周波数の音を流し、雑音を紛らわす方法もあります。
③パーテーションを設置する
パーテーションには、天井との間にスペースが空くタイプと、空かないタイプの2種類があります。防音性を考えるなら、天井まで届くタイプを選びましょう。ただし、空間が完全に区切られるので、新たにエアコンや照明を導入しなくてはならない点は要注意です。
④ツインガラス(二重窓)にする
ツインガラス(二重窓)を使用した防音対策は閉鎖感が無く、今まで通りの空間は確保しつつ遮音性が確保できるため、非常に効果的な方法です。しかも、ツインガラスは断熱性にも優れた素材であるため、エアコンの効果も向上します。
⑤天井に防音対策する
天井の防音対策には、吸音材と遮音材の併用が効果的です。
オフィスビルの天井は、遮音性の無い構造であることも多いため、既存の天井の構造を改装したり、もう一層の天井を作り二重天井にするなどの対策が必要になるケースも多いようです。また、対策しづらい天井の場合には、落下の危険性がある重量のあるものをご自身で設置するのは難しいですが、遮音性能は多少劣るものの両面テープが貼られている軽量の吸音材など、簡単に取り付けられる商品もありますので利用してみてはいかがでしょうか。
オフィスの騒音対策には、さまざまな方法があります。騒音対策は情報漏洩を防ぎ、会社の信用性をアップさせるだけでなく、社員の生産性アップもサポートしてくれます。快適かつ適切に業務を進めるために、状況に合わせた適切な防音対策を行いましょう。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。
【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)