交通量はもちろん、近隣に住居なども多い首都高速道路では、遮音壁の設置をはじめ、高架橋下面に反射する街路からの騒音を低減する裏面吸音板の設置、高機能舗装など、さまざまな騒音対策を行っています。路面舗装の補修を行って凸凹をなくしたり、路面のつなぎ目をなくす「ノージョイント化」によっても、騒音や振動の低減を図っています。
高機能塗装とは、従来のアスファルト・コンクリート舗装よりも多くの隙間ができるように工夫された舗装のこと。タイヤと路面との間の空気が舗装の隙間に逃げられるため、タイヤと路面の摩擦により圧縮された空気が解放されるときに生じる「エアポンピング音」が生じにくくなります。これによって、3dB程度の騒音を低減することが可能です。
参照元:首都高速道路株式会社
遮音壁とは、騒音が発生する場所を囲むように置くことで、音を遮断する壁のことです。道路や線路脇などに設けられ、自動車や電車が発する騒音を低減してくれます。鉄板やコンクリート、比較的安価な石膏などが使われます。
一方、吸音板とは、音を吸収することで音の反射を防ぎ、音が室外に漏れるのを防いだり、音の反響を抑える板のことです。グラスウール、ロックウール、ウレタンフォームといった細かい穴(細孔)がたくさんある素材によって、音を取り込み、吸収します。
高速道路では、遮音と吸音、それぞれの特徴や機能を活かしてさまざまな騒音対策を行っています。
遮音壁が最初に登場したのは、1968年アメリカ・カリフォルニア州でした。道路交通の急激な発展とともに周辺地域への騒音が問題視され、公共の防音壁が建設されたのです。1990年代には、西ヨーロッパでも遮音壁がよく使われるようになり、中には透明な材料を使用したものもあったそう。
日本では、高度経済成長期に交通量が急激に増え、騒音が問題視されたのをきっかけに、遮音壁が導入されるようになりました。
参照元:道路交通騒音と遮音壁に関する動向(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/73/11/73_704/_pdf)
高速道路の騒音対策には、遮音壁や吸音材などさまざまな製品が活用されています。遮音・吸音の性能が高いことはもちろん、耐久性や耐火性、メンテナンス性やデザイン性なども重視して選ばれています。 中でもドライバーの視界に入りやすい遮音壁は、運転の邪魔をしないシンプルさと、ドライバーを退屈させない視覚変化を両立するという、意外にも高いレベルのデザインが求められています。
近年は太陽光が当たると自動車排ガスを浄化できる光触媒機能がある壁や、見通しを確保する透明な防音壁、太陽光パネルを搭載した防音壁なども登場しています。
我々が普段使用する高速道路には、騒音を軽減するさまざまな工夫が施されています。必要な対策は道路の幅、立地条件、想定される交通量など、さまざまな要素によって決まるため、専門家の意見に基づいた対策が不可欠です。
防音材には、防音性能はもちろん、対策が必要な建物の種類に合うスペックやサービスが必要です。室内音響の防音対策にピッタリな防音材メーカー品を紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。
【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)