病院では、多くの医療機器が使われている上、人の出入りなどで、会話・足音・配膳車の移動、ドアの開閉音、電話の呼び出し音などさまざまな騒音が発生しています。病院の壁や床には装飾用石材が組み込まれていることがあり、これに音が反響している場合もあるようです。
病院内では、聴力などの検査室はもちろんですが、病状など患者のプライバシーに関する会話が行われる診察室やカウンセリングルーム、入院患者が病状を回復させる病棟など、防音が必要な空間が数多く存在しています。騒音に関しては個人差がありますが、通常では病室は50デシベル以下、夜間は40デシベル以下が望ましいとされています。
対策としては、壁や天井、床に遮音材・吸音材を貼り付ける、防音ドアする、病院で使用する医療機器を防音BOXで囲むなどさまざまです。 倉庫と同じように、病院は「特殊建築物」であり、防火の基準が厳しく規定されているので、防音材は防火性の高いものを選びましょう。
屋外では、駐車場での車の走行音・エンジン、換気・排気設備、ドクターヘリの離着陸などで騒音が発生しているため、周囲住宅などに配慮した騒音対策が必要です。 駐車場の騒音には、遮音壁の設置がおすすめ。換気・排気設備、空調室外機には、吸遮音パネルを設置すると遮音効果が期待できるようです。いずれも屋外に設置するため、耐水性や耐久性のある製品を選びましょう。
自衛隊や在日米軍の飛行場周辺地域で、航空機の離着陸によって生じる騒音にお悩みの病院施設には、防音工事の全部または一部を補助する制度があります。また、成田空港や羽田空港などの周辺エリアの病院では、防音工事や建物等の移転補償などが受けられるようです。エリアによって条件が異なるので、詳しくは、近くの管轄会社へ問い合わせてみて下さい。
意外にもさまざまな騒音が発生している病院。利用者は近隣住民のためにも、各種の機器を防音パネルなどで囲んだり、ドアや廊下・壁などに吸音・遮音材を設置するなど対策が必要です。ここで紹介した以外にもさまざまな方法や製品があるので、気になる方は専門家に問い合わせてみて下さい。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。
【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)