
今やカラオケは全世代、親子3代で楽しめる娯楽として定着しています。そして言うまでもなく、一定レベル以上の音量が発生するもの。周囲に対する防音対策は不可欠で、もしも苦情が殺到した場合、営業停止となってしまうこともあり得ます。カラオケではどのような防音対策が実施されているのか、各種の知識をまとめましたので、ご覧ください。
実際にカラオケボックスなどを利用したことのある方ならお分かりでしょうが、カラオケ中はそばでの会話が耳打ちしないとほとんどできない状態となります。その際の音量は90dB程度とされており、耳元で犬に吠えられるのと同等という例えがある程です。
実は法律上で「営業騒音」に関する明確な定義はなされていませんが、昭和 44 年に施行された騒音規制法の対象としてカラオケボックスは明確に挙げられています。その他にはゲームセンターやガソリンスタンド、映画館、ゴルフ練習場、店舗面積 250m2 以上の小売店など。
また世相として、昭和55年頃にいわゆるカラオケ騒音が社会問題化され、苦情もピークに。環境省の通達を受けて地方公共団体が条例を定めるという事態に。その結果、カラオケを用いる事業者も防音対策に力を入れるようになり、苦情発生件数も下火になっていきました。
しかしながら完全になくなった訳ではなく、令和となってもなお、に営業騒音としての苦情は一定レベルで発生しています。カラオケを用いたビジネスに携わる方は、こうした経緯や対策の重要性を、しっかりと踏まえておく必要があります。
前述しました通り、実はカラオケの騒音を防止するための条例というものが存在しており、基本的には深夜から未明にかけては、カラオケを使用してはならないとされています。ただし防音対策がきちんとなされていれば、規制適用は免除されます。
例えば東京都の場合『音響機器等使用制限【第131条】』というものがあり、23時から翌朝6時までは原則としてカラオケの使用が規制されています。ただし、しっかりとした防音対策が講じられていれば規制が免除されます。繁華街などで24時間営業しているカラオケ店は、こうした対策を行っているゆえに、営業できているということになります。
では、カラオケの防音対策とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。基本的にはカラオケが行われる部屋に、防音・吸音・防振材を用いた防音・吸音工事を行うということになります。もちろん専門知識のないカラオケ店のスタッフが片手間に行えるというものではなく、信頼できる専門業者に依頼することが肝心です。
そうした業者であれば、例えば室内に音が反響しすぎて歌いにくいといった場合の対応も依頼できます。また下階に別業種のテナントが入居しているなどの場合は浮床工事が必要となりますが、そうしたこともノウハウのある専門業者ならお手のものです。
実はカラオケは深夜から早朝にかけては原則禁止、ただし防音対策を行っていればその限りではないというのは、意外な事実だったのではないでしょうか。繁華街などでは、オールナイトでカラオケなども、コロナ禍前は珍しくないシチュエーションでした。それも、防音対策のおかげということなのですね。
逆に言えば、騒音対策が不十分だと深夜の営業を規制されてしまう可能性があるということであり、そうなったらビジネス的にも大きな損失となってしまうのは言うまでもありません。そうした意味でも、カラオケを用いたビジネスにおいて、防音対策は重要な鍵と言えるのです。
防音力の高い防音材メーカーをお探しの方へおすすめ!①防音材の品質で第三者機関から受賞されている、②対応できる周波数や騒音レベルの数値測定をし、それを公表している、という2つの基準から、防音材メーカー3社を厳選しました。それぞれ、得意な建物別に分類してご紹介します。


【選定基準】
2021年12月16日(木)時点、Google検索で「防音材 メーカー」で上位表示していた52社から、「防音材の品質について受賞歴(※)」があり、「対応できる周波数や騒音レベルの数値測定を公表」しているメーカーの中から選定。
「受賞歴」「数値測定を公表」しているメーカーの中ではそれぞれ…
・静科:19つのラインナップを揃え、一番製品のバリエーションが多く、対応範囲が広い
・ユニックス:大型公共施設の事例掲載が最多(2021年12月16日(木)時点)
・日鉄神鋼建材:道路・鉄道に特化した防音材のラインナップ
(※)防音材の品質で第三者機関から受賞されている(デザイン受賞は除く)